スタッフブログ

家族信託とは何か?

2017.02.22 その他

最近、家族信託についての講義を受け、初めて聞く言葉であり内容についても初めて聞く内容でした。
平成18年に信託法の法改正が82年ぶりにありました。
改正のポイントは3点ありました。
その中で特に信託を多様な形で利用するというニーズに応えるため、新しい類型の信託を創設しました。
また担保権の信託、家族信託に関する規定を整備しました。
ということで法改正に伴うなかで家族信託が整備され運用可能になりました。

家族信託自体はまだまだ日も浅く一般的に浸透されていない状況ですし、
精通している専門家が不足しているため普及していないのではないかと思います。
「家族信託」とは、一言でいうと「財産管理の一手法」です。
財産を持つ方が特定の目的(例えば「自分の老後の生活・介護等に必要な資金の管理及び給付」等)に従って、
その保有する不動産・預貯金等の資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せる仕組みです。
いわば「家族の家族による家族のための信託(財産管理)」といえます。
家族・親族に管理を託すので、高額な報酬は発生しません。
したがって資産家のためのものではなく、誰にでも気軽に利用できる仕組みです。

 

■メリット■

1.】後見制度に代わる柔軟な財産管理を実現できます。
成年後見制度は負担と制約が多い。
例えば、毎年の家裁への報告義務の負担があります。
資産の積極活用や生前贈与、相続対策ができない。

2.】法定相続の概念にとらわれない「想い」に即した資産承継を実現できます。
通常の遺言では2次相続以降の資産承継先の指定ができない。
家族信託では2次相続以降の資産承継者の指定が可能になります。

3.】不動産の共有問題・将来の共有相続への紛争予防に活用できます。
共有不動産は共有者全員が協力しないと処分できない。
将来、兄弟が不動産を共同相続してしまうと同様の問題が生じます。
家族信託では、管理処分権限を共有者の一人に集約させることで、不動産の塩漬けを防ぐことができます。

■デメリット■

細かく詳細まで検証していませんが、強いて挙げるなら
税務的なメリットが特段生じないのがデメリットではないでしょうか?

 

相続対策の手法としての家族信託は今後注目されてくると考えられます。
ご自身あるいはご家族の意思能力の低下、遺言の代わる資産承継方法を検討している方々
円満な事業承継を講じたい方々にとって有効な手段になると確信しています。